鹿児島商議所の街づくり案ではスルー…スタジアム構想、鹿児島市長は「人口減時代、街に活力」「方向性は一致」

 2023/01/26 12:23
市の施策について説明する下鶴隆央市長=鹿児島市役所
市の施策について説明する下鶴隆央市長=鹿児島市役所
 鹿児島市の下鶴隆央市長は25日の定例会見で、鹿児島港本港区の3カ所で検討するサッカー等スタジアムについて、「人口減少時代の中、中心市街地に活力を生み出すために必要な施設」との認識を示した。鹿児島商工会議所がまとめた本港区エリアの提言はスタジアムに触れていないものの、街づくりの方向性はおおむね一致するとの見解を明らかにした。

 本港区の再開発を巡っては、同商議所が24日、ホームページで提言を発表した。エリア内にはスタジアム候補地とする本港新町のドルフィンポート(DP)跡地と住吉町15番街区が含まれるが、両敷地とも別の使途を盛り込んでいる。

 それについて下鶴市長は「まだ(スタジアムの)立地が定まっていないから」と分析。「なぜ中心市街地でスタジアム構想を持っているか、しっかり説明していく」と商議所に理解を求めていく考えを示した。

 提言全体については「経済団体らしく中心市街地を含め鹿児島市、鹿児島県にいかに人を呼び込むかを主眼にしている」と評価。市が計画するスタジアムを核にした街づくりの方向性と重なる、とした。

 今後、必要な施設は「直行直帰型でない」とした上で、「来場した人が街に繰り出す具体的な消費行動を見据えた街づくりが必要」と説明。「単にサッカーのJ1基準に合わせたスタジアムなら場所は問わない。市の構想は人口減少時代に生き残り、街を持続可能なものにするためだ」と、本港区以外の整備には否定的な考えを明言した。