深刻な人手不足で即戦力重視 中途採用計画、新卒の2.6倍 鹿児島県内中小企業・21年度

 2023/01/27 12:11
 鹿児島県中小企業団体中央会は、2022年度の中小企業労働事情実態調査の結果をまとめた。21年度に新卒者の採用を計画した事業所は20.0%だった一方、中途採用は53.4%と約2.6倍で、中途を重視する傾向が鮮明になった。

 調査は22年7月1日時点で、県内の千事業所を対象に実施し、537事業所が回答。中途採用の項目は今回新たに加えた。

 全国平均と比べると新卒が2.4ポイント低く、中途は5.8ポイント高い。計画に対して採用できた割合を示す充足率は、大卒技術系の場合、新卒が50.0%で、中途は100%を超えた。深刻な人手不足の中、新卒が採りづらいことや、企業が即戦力を求めていることが背景にあると、同会はみている。

 賃金を引き上げた事業所(予定含む)の割合は、経営状況が「良い」「変わらない」「悪い」のいずれでも前年より増加した。引き上げの際に重視した要素は「労働力の確保・定着」が最多。人材確保のため賃上げせざるを得ない状況がうかがえる。

 育休の取得実績も新たに質問し、正社員の女性は22%、男性9%だった。昨年10月に新設の制度「産後パパ育休(男性版育休)」への対応については「実施していない(予定もない)」が42.8%、「現行制度を改正した(する)」は21.7%だった。