休廃業・解散した企業469件 黒字企業が6割占める 2022年・鹿児島県内

 2023/01/28 07:30
 東京商工リサーチ鹿児島支店がまとめた2022年に休廃業・解散した県内企業は469件に上り、00年の集計開始以降で3番目に多かった。うち黒字企業の割合は5年ぶりに上昇。新型コロナウイルス禍に加え、原材料価格の高騰や人件費上昇などが影響を与えたとみられる。

 倒産(法的整理や私的整理)以外で事業を停止した企業を集計した。件数は最多だった21年に比べ103件減った。産業別にみると、飲食や宿泊などを含むサービス業他が145件(前年比25件減)で最多。次いで建設業101件(51件減)、小売業67件(26件減)が続いた。

 直前期の決算が黒字だった企業は62%を占めた。21年までは赤字企業の割合が4年連続で上昇していたが、同支店は「複合的な要因で先行きが見通せず、黒字決算のうちに市場退出を決断した経営者が増えた」と分析する。

 代表者の年齢は83.2%が60代以上。後継者が不在のまま高齢化し、体力低下や事業意欲減退といった理由もあるとみられる。企業の従業員数は判明分で計1559人に上り、3年連続で1500人を上回った。

 資金繰り支援策などにより、コロナ前水準を下回っている倒産件数(53件)とは対照的な結果となった。同支店は「事業再構築や事業承継など企業に適した未来を選択できる継続支援が求められる」と指摘した。

 全国の22年の休廃業・解散企業は4万9625件(5248件増)だった。