雪の農業被害、鹿児島県内は19億円超す 出荷前の豆類、ジャガイモに集中

 2023/01/28 09:00
大雪の被害を受けたソラマメの畑=25日、指宿市西方
大雪の被害を受けたソラマメの畑=25日、指宿市西方
 鹿児島県内で24日から発生した積雪・低温の影響で、出荷を目前に控えた豆類、ジャガイモを中心に19億5000万円の農業被害が確認されたことが27日、県農政課のまとめで分かった。被害は15市町村(869ヘクタール)で確認され、指宿市が面積、金額とも半数超を占めた。調査が終わっていない地域もあり、被害額は確定していない。

 県農政課によると、指宿市では、全国トップの生産量を誇る豆類(ソラマメ、スナップエンドウ、実エンドウ)が霜にやられたり、さやが傷んだりした。グラジオラスの折損と合わせて484ヘクタール、16億4000万円の被害が確認されている。

 ジャガイモは長島町で、町内作付面積の15%ほどに当たる100ヘクタールで茎や葉がダメージを受けて9800万円の被害が出た。農業施設では、宇検村と知名町で農業用ハウスの被覆資材が強風で破れた。

 同課は「できるだけ早く被害の全体像を把握したい」と説明。今週末も厳しい冷え込みが予想されることから、「改めて低温対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。

 積雪などによる県内の農業被害は16年1月にも発生。今回と同じく豆類、ジャガイモを中心に低温障害が相次ぎ、被害額は37億円に上った。