鹿児島市と熊本・八代市を結ぶ「南九州西回り道」は一体いつつながる? 未開通区間の建設状況を調べた 北薩2カ所に「道の駅」計画

 2023/01/29 14:49
田園地帯を貫く高架橋の桁=20日、出水市美原町
田園地帯を貫く高架橋の桁=20日、出水市美原町
 鹿児島市と熊本県八代市を結ぶ約140キロの「南九州西回り自動車道」の建設が進んでいる。一部は供用され生活や経済を支えるが、未開通区間の計画はどうなっているのか。北薩地域で進む建設の状況をまとめた。
〈※未開通のインターチェンジ (IC)名は仮称〉

■芦北出水道路

 南九州西回り自動車道芦北出水道路(29.6キロ)の未開通区間は、出水と熊本県の水俣を結ぶ16.3キロ。国土交通省八代河川国道事務所によると、用地取得はほぼ終わり、出水市内各所で整備が進められている。

 最後まで手つかずだった米之津川の架橋は、川の中に橋脚を造るための作業用桟橋の工事が近く始まる見通しだ。右岸側では田園地帯をまたぐ高架橋の桁が立ち並ぶ。

 出水市は開通に合わせ、出水-出水北間の下鯖町の高台に防災拠点にもなる道の駅の整備を目指している。サービスエリアのように上下線から直接出入りできる構造で、八代海を望める立地。水俣市や伊佐市など周辺4市町と整備推進協議会を設けており、出水市都市計画課は「連携して情報発信する拠点にしたい」としている。

■阿久根川内道路

 南九州西回り自動車道で未開通の阿久根川内道路(22.4キロ)は、阿久根-西目間(4.1キロ)が2018年10月、湯田西方-薩摩川内水引(5.2キロ)が20年12月に着工し、工事が進む。

 国土交通省鹿児島国道事務所によると、阿久根-西目間は用地の約9割を取得済み。区間に配置する橋の土台部分などを建設している。

 湯田西方-水引間は用地約7割を取得。水引ICの北西1.2キロに入り口がある「網津トンネル」を建設中で、22年12月に貫通した。予定通り今年7月の完成に向け、内側をコンクリートで覆う作業に移っている。

 西目から湯田西方までの間に「大川IC」を設ける計画。この区間の用地取得は今後本格化していく方針。大川の高台では、県外からも評価が高い牛之浜景勝地を展望できる道の駅の設置が計画されている。阿久根市は薩摩川内市や長島町などとも連携し、北薩の特産品が集まる施設づくりを目指している。