ツルの北帰行始まる 鳥インフルが猛威をふるったシーズン…「大変だった」 出水平野

 2023/02/01 08:15
北へ向かって飛ぶマナヅルの群れ=31日、出水市荘(榎木丸健一さん提供)
北へ向かって飛ぶマナヅルの群れ=31日、出水市荘(榎木丸健一さん提供)
 鹿児島県出水市の出水平野で越冬するツルの北帰行が31日、始まった。昨季より1日早い。ねぐらがある荒崎休遊地周辺は朝から青空が広がり、ツルの群れは旋回しながら一気に上昇した。3月下旬ごろまで続く。

 県ツル保護会は午前10時15分ごろ、マナヅル7羽が長島町方向へ飛び去ったのを確認した。その後、午前中までにナベヅルも含め計数百羽が北へ向かった。

 今季の初飛来確認は昨年10月12日。羽数は1万74羽を記録、26季連続で1万羽を超えた。一方、11月初旬から高病原性鳥インフルエンザの感染が広がり、死んだり衰弱したりして市内で回収されたツルは1421羽(1月30日現在)。過去最多だった2020年度125羽を10倍以上上回る。

 旅立ちを見守ったツル保護監視員の桑野大輔さん(46)は「大変なシーズンだったが、今は鳥インフルエンザが落ち着いて良かった」と話した。