県勢「和牛日本一」の全共鹿児島大会、経済効果は66億円 県が推計「コロナ下で一定の成果」

 2023/02/01 10:08
大勢の来場者でにぎわう「ブランド牛」の試食会場=2022年10月、霧島市牧園
大勢の来場者でにぎわう「ブランド牛」の試食会場=2022年10月、霧島市牧園
 鹿児島県は31日、昨年10月に霧島市、南九州市で開催された全国和牛能力共進会(全共)により、66億3000万円の経済効果があったと発表した。新型コロナウイルスの影響などで、2017年の前回宮城大会(101億2000万円)を下回ったが、県全共推進室は「コロナ下で開かれた大型イベントとしては一定の効果を出せた」としている。

 全共鹿児島大会は昨年10月6~10日にあり、県内外から延べ30万8000人が来場。鹿児島県勢は30年ぶりに最高賞の内閣総理大臣賞を受賞するなど「和牛日本一」に輝いた。

 経済効果は県産業連関表を使い、来場者アンケートの結果から消費額を推定して算出。アンケートは大会期間中、霧島市のメイン会場を訪れた人を対象に実施し、延べ1148人から回答を得ていた。

 経済効果の内訳を見ると、催事会場での物品販売や宿泊などの直接効果が44億3000万円に上った。さらに関連産業への波及効果で12億9000万円、雇用所得の増加で新たに生まれた消費額として9億1000万円の効果があった。

 アンケートでは、来場目的として「ブランド牛の試食」を挙げた人が35%で最も多く、「和牛の魅力発信という大会の狙いは達成できた」(推進室)。1人当たりの支出額は「1万円以上」が28%でトップだった。

 推進室の福重哲也室長は「これからも『和牛日本一』を獲得した全共の成果が販路拡大、観光客呼び込みにつながるような取り組みを続けていく」と話した。