(詳報)「タッチ・アンド・ゴー」2回、海自鹿屋基地で米軍給油機KC130訓練 2年4カ月ぶり8回目、無人機MQ9部隊も展開中

 2023/02/01 07:48
海上自衛隊鹿屋航空基地でタッチ・アンド・ゴーの訓練をするKC130空中給油機=31日午前9時58分、鹿屋市野里町
海上自衛隊鹿屋航空基地でタッチ・アンド・ゴーの訓練をするKC130空中給油機=31日午前9時58分、鹿屋市野里町
 鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地で31日、米海兵隊岩国基地(山口県)所属のKC130空中給油機が約2年4カ月ぶりに訓練した。着陸後に再加速して離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を実施した。

 同基地では2022年11月、米軍が無人機MQ9部隊の1年間の一時展開を始めている。KC130の訓練が前回から長期間空いたことについて、防衛省九州防衛局は「米軍の運用に関わり、回答は控える」としている。

 訓練では1機が午前9時32分、鹿屋に現れた。八の字を描くように大隅半島上空を旋回しながら、基地でタッチ・アンド・ゴーを2回した。同10時24分に駐機場に止めた後、自衛隊から給油を受け、11時6分に飛び去った。

 鹿屋での訓練は、沖縄県の米軍基地負担の軽減を名目にした在日米軍再編計画の一環。鹿屋市長が15年10月に受け入れを表明した。月20回程度の計画で19年9月に始まったが、「米軍の運用上の都合」による中止が相次ぎ、実施は20年9月までの7回だった。市には15~21年度、訓練に絡む在日米軍再編交付金が計26億4000万円支払われた。

 2年4カ月ぶり8回目となった今回の訓練について、沖縄国際大の野添文彬准教授(国際政治学)は、米海兵隊が有事の際に島々に拠点をつくる遠征前方基地作戦を挙げ、「KC130は給油や輸送の役割を担う」と指摘。その上で「南西諸島で日米共同訓練が頻繁に行われている台湾重視シフトのタイミングと、今回の訓練は重なる。鹿屋基地での米軍の訓練は増えると予想される」と話した。