ユネスコ認定「消滅の危機にある8言語・方言」 鹿児島・沖永良部島でサミット 「むんなげし、はみちきてぃぬくさーやー」と宣言

 2023/02/01 15:04
島ムニの継承活動について語る住民と研究者=知名町のあしびの郷・ちな
島ムニの継承活動について語る住民と研究者=知名町のあしびの郷・ちな
 「危機的な状況にある言語・方言サミット」が28、29の両日、鹿児島県知名町であった。沖永良部島の方言「島ムニ」をはじめ国連教育科学文化機関(ユネスコ)が消滅危機にあるとする国内8言語・方言をテーマに、各地の話者や研究者が継承活動の成果と課題を共有。島ムニで「むんなげし、はみちきてぃぬくさーやー(みんなで一生懸命残そう)」との宣言を発信した。

 島ムニを研究するオランダ人のハイス・ファン=デル=ルベ琉球大非常勤講師(言語学)は字幕を交え、島ムニで講演。習得しやすい環境づくりのため「話せる人が積極的に使い、集落ごとの言葉の違いをばかにしないことが大事」と強調した。

 8言語や方言のあいさつなどを聞き比べたほか、3世代で継承に取り組む沖永良部島の家族や研究者が登壇。「記録・継承できる人材を地域に育成し、(専門家ら)外部の協力も必要」「子どもの言語能力を信じ、家庭で方言をたくさん聞かせることが大事」といった意見を出し合った。

 知名町の住民が地元の民謡を披露。町公民館講座の受講生は継承に向けた活動を紹介する寸劇を島ムニで演じた。

 サミットは文化庁、鹿児島県などの主催。ユネスコは2009年、消滅の危機について、奄美語(奄美大島、喜界島、徳之島)と国頭語(与論島、沖永良部島、沖縄本島北部)を「危険」、アイヌ語(北海道)を「極めて深刻」と認定した。

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