新型ロケットH3に搭載、衛星「だいち3号」を公開 13日打ち上げへ JAXA

 2023/02/02 10:00
新型基幹ロケット「H3」に搭載される地球観測衛星「だいち3号」(JAXA提供)
新型基幹ロケット「H3」に搭載される地球観測衛星「だいち3号」(JAXA提供)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから13日打ち上げ予定の新型基幹ロケット「H3」1号機に搭載する地球観測衛星「だいち3号」の説明会をオンラインで開いた。従来機より高性能化して地上を鮮明に撮影でき、災害対策以外に林業や水産業での利用を見込む。

 だいち3号は昼間の晴天時に詳細撮影が可能な光学衛星で、運用を終えた初代だいちの後継機。高度約670キロの軌道を周回し、観測幅は直下70キロ。機体姿勢を変え、進行方向とは別方向も撮影できる。地上の識別能力は初代の3倍以上で、80センチの物体が分かる。

 主に災害時の被災地把握や火山監視に活用。新たに藻場の分布状況やマツ枯れの状況把握にも役立てる。開発費は約280億円。

 遠赤外線と中赤外線を1つのセンサーで検出できる防衛装備庁の機器も搭載する。宇宙空間での実証を進め、弾道ミサイルの発射探知などに役立てられるかを検討する。

 JAXAの匂坂雅一プロジェクトマネジャーは「私たちの生活に欠かせない衛星を目指したい」と意気込みを語った。

 H3ロケットは13日午前10時37~44分に打ち上げる。だいち3号は打ち上げから17分後に分離される予定。