「警戒区域内を飛行する航空機がいる」…H2Aロケット打ち上げが1分遅れ、原因は鹿児島県警のヘリだった

 2023/02/03 07:15
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
 南種子町の種子島宇宙センターで1月26日に打ち上げられたH2Aロケット46号機の発射が、警戒区域へのヘリコプター進入で約1分遅れた問題で、ヘリは周辺で航空機などの警戒に当たっていた鹿児島県警所属機だったことが2日、県警などへの取材で分かった。

 県警は「宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ、関係機関に多大な迷惑をかけたことは大変遺憾。原因を調べ、同様のことが起きぬよう職員の指導を徹底する」としている。

 打ち上げ予定時刻は午前10時49分で、JAXAは射点から半径3キロに警戒区域を設け、発射10分前からは東側の警戒区域を半径3キロ以上に広げた。区域内への航空機の進入はできない。

 ところが県警ヘリは同39分ごろから約5分間、東側警戒区域に進入した。警戒区域からの退去など安全確認のため、打ち上げ時刻が約1分遅れた。任務に影響はなかったという。

 JAXAは「警戒区域で航空機(ヘリ)が飛行している」と県警に情報提供。県警を通じて情報を受けたヘリ乗員が周辺を確認し、県警はJAXAに「該当機不明」と伝えていた。

 県警警備課によると、ヘリは警戒区域に進入している認識はなかったが、その後、乗員への聞き取りや飛行経路を確認したところ、進入が判明した。