「彼女いるの?」 何気ない質問にも先入観があったと気付いた…LGBTQの居場所づくりを始めたNPO代表「ありのまま、来たいときにおいで」

 2023/02/03 15:00
かお・崎山尚子さん
かお・崎山尚子さん
■鹿児島県南さつま市でLGBTQの居場所づくりに取り組む
 﨑山 尚子(さきやま・ひさこ)さん

 LGBTQら性的少数者の人たちの居場所づくりを1月から始めた。毎月第2土曜、南さつま市の市民センターに集まる。10~20代の当事者とそうかもしれないと考える人が対象。何をするという決まりはない。会話したり本を読んだりして自由に過ごす。「ありのままの自分らしさを出せるような安心感を持ってもらえるようにしたい。多様な性を認め合い尊重する意識がここから広がれば」と願う。

 フードバンクや子ども食堂を運営する地元のNPO法人てしおて代表。LGBTQの当事者・支援者団体セルフヘルプネットかごしまの石塚正貴さん(60)=日置市=と昨年、イベントで出会った。石塚さんは体と心の性が一致しないトランスジェンダーを公表している。外見は男性、戸籍は女性だ。初対面で臆したが、話すうちに戸惑いが消えた。「違いはあっても1人の人格であるのは変わらない」

 以前に比べると社会の理解が進み、カミングアウトする人が増えた。でも、子どもの世界では、まだ好奇の目で見られてしまう。いじめを恐れて誰にも言えず、生きづらく感じている。

 そんな悩みを抱える子どもたちの居場所づくりを目指す石塚さんに賛同した。「茶菓子を用意して待っている」。予約なしでもOK。来たい時に来られるオープンな場にする考えだ。

 先日、26歳の長男に「彼女いるの」と聞いて反省した。「先入観はいけない。付き合ってる人いるの、と普通に言えるようでないと」。加世田唐仁原に夫婦で住む。59歳。