桜島フェリー1隻減って島外避難は30分増…でも鹿児島市「大きな影響はない」 大規模噴火時の避難計画修正案示す

 2023/02/04 15:38
桜島フェリー(資料写真)
桜島フェリー(資料写真)
 鹿児島市は3日の市議会桜島爆発対策特別委員会で、5隻体制の桜島フェリーが4月から1隻減るのを受け、同島の避難計画の修正案を明らかにした。大規模噴火が切迫し住民が島外避難する場合、なくなる船が受け持つ避難港を、残る4隻が救助に向かいカバーする。

 現計画では原則、島西側の住民は市が用意したバスと桜島フェリーで鹿児島市へ、東側はバスで垂水市側へ避難する。道路が寸断されるなどした場合は最大20カ所の避難港に桜島フェリー5隻と、県水難救済会の船1隻が向かう。

 市危機管理課や船舶局によると、4月になくなるのは第十五櫻島丸。現計画で藤野など4港を担当する。減船で残る4隻が受け持つ港数は1隻当たり3~4港から、4~5港に増える。

 その結果、寄港が増える船は新たに約30分が必要となるが、危機管理課は特別委で「大きな影響があるとは考えていない」と説明。取材に対し、避難港を使うのはあくまでも原則の手段が使えない場合で「必ずしも全港を回るとは限らない」と、理由を説明した。

 計画案にはほかに、児童の避難のタイミングを避難指示(噴火警戒レベル5相当)から高齢者等避難(レベル4相当)発令時に早めることや、過去の総合防災訓練で試した避難完了板の使用を盛り込んだ。避難用家族カードは廃止する。

 新たな計画は、3月の市の防災会議で最終的に決定する予定。