畜産王国の「都城メンチ」を全国区のグルメに 官民一体プロジェクト始動 手頃な価格、素朴な味わい…目標は「佐世保バーガー」のようなブランド化

 2023/02/04 21:00
都城産宮崎牛のみを使ったメンチカツ
都城産宮崎牛のみを使ったメンチカツ
 「日本一の肉のまち」を掲げる宮崎県都城市で、総菜やおやつとして親しまれているメンチカツをご当地グルメとして全国区にするプロジェクトが始まった。提供する15事業者と市、百貨店の博多大丸(福岡市)がタッグを組み「都城メンチ」と命名、佐世保バーガーや横須賀海軍カレーなどのようなブランド化を目指す。

 都城市は牛豚鶏の合計産出額が日本一を誇り、精肉類はふるさと納税返礼品でも人気は高い。一方、全国に発信する「都城」の地名付きのご当地グルメは少ない。メンチカツは手頃な価格や素朴な味わいで地元では愛されていたが、池田宜永市長も「当たり前にあるものと思っていた」と、魅力に気づいていなかったことを明かした。

 転機は昨年、各地の魅力を発掘する博多大丸の「九州探検隊」とつながったこと。畜産王国ならではのメンチカツの魅力に気付かされた。昨年12月、市と博多大丸が地場産品連携協定を結び、食べ歩きに適したガイドブックや公式サイト、のぼり旗を作成するなど、官民一体での取り組みが始まった。

 2月1日には生産者直売店や精肉店、飲食店の15事業者による協議会も発足。牛肉や鶏肉だけしか使わない、油で揚げないなど事業者ごとに多彩な特徴があるが、都城産の食材を使うことや飼育水に霧島連山系の地下水を使うといったルールを定めた。

 今後はイベントやオンライン販売でPRや販路開拓に取り組む。会長に就いた観音池ポークの馬場康輔さん(41)は「ライバル同士だが、連携することで相乗効果が生まれれば。農畜産物消費拡大により生産者の手助けにもつなげたい」と話した。