都市農業センターに6次産業化推進施設 レトルト殺菌機など18機器導入、農家の特産品開発後押し 鹿児島市

 2023/02/07 12:15
多機能機器が並ぶ施設を見学するセミナー参加者=鹿児島市犬迫町の都市農業センター
多機能機器が並ぶ施設を見学するセミナー参加者=鹿児島市犬迫町の都市農業センター
 鹿児島市都市農業センター(犬迫町)は、農林水産物を加工する機器をそろえた6次産業化推進施設を整備した。4月から市内の農家らに有料で貸し出し、菓子など付加価値の高い特産品の開発を後押しする。

 導入したのはレトルト殺菌機や過熱水蒸気オーブン、電気乾燥機、せんべい焼き機など18機器で総額は約2000万円。小松菜の乾燥粉末の色味を生かした菓子など複数の機器を使った商品開発をイメージする。プリンやジャム作りにも活用できる。

 これまで調理室はあったが鍋や電子レンジなどしかなく、使用者は主に周辺住民に限られていた。農家や個人事業主が特産品開発の初期段階で高価な機器をそろえるのはリスクが大きいため、市が代わりに整備。センター内に並べた多機能機器で試作品を作り、商品化に道筋をつけてもらう狙いだ。

 木佐貫学所長は「工場でなく研究所の位置付け」と説明する。商品化が見えた場合、その先の施設整備の補助金手続きや販路開拓など市産業局を中心にバックアップ体制を取る。

 使用料は調整中で、市議会3月定例会に条例改正案を提出する。2月4、5日はお披露目を兼ねた商品開発セミナーを開催。農家や飲食店関係者ら予定を上回る計70人が参加し、関心の高さをうかがわせた。

 木佐貫所長は「今後はインバウンド(訪日外国人客)が増える。市外、県外だけでなく、世界に向けて販売できるものを作ってもらう施設にしたい」と話した。