身障者DJコンビ、ラジオでごきげんトーク 毎週金曜、FMきりしまに出演 前向きに「なんでも聞いて」

 2023/02/07 15:51
鶴崎亮さん(前列左)、橘薗美涼さん(同右)と、パーソナリティーの前田美樹さんら=霧島市国分のFMきりしま
鶴崎亮さん(前列左)、橘薗美涼さん(同右)と、パーソナリティーの前田美樹さんら=霧島市国分のFMきりしま
 視覚などに障害がある鹿児島県霧島市在住の2人が、同市のFMきりしまの番組で活躍している。明るいムードメーカーの「ピースくん」と真面目な努力家の「美涼(みすず)ちゃん」。毎週金曜の昼前に軽妙な掛け合いを放送している。

 霧島市国分在住の鶴崎亮さん(39)と、隼人に住む橘薗(たちばなぞの)美涼さん(32)。2人は同じ就労継続支援B型事業所に通う。パーソナリティーの前田美樹さん(53)との仲良しトリオで、番組「ごきげんだぜ!Radio」を昨年4月から続ける。

 鶴崎さんは糖尿病が原因で28歳のとき失明。30歳から人工透析治療を始め、1年前からストーマ(人工肛門)も使う。橘薗さんはモヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞=へいそく=症)の影響で、鹿児島大工学部2年のとき脳出血で倒れて生死をさまよい、弱視と左半身まひになった。収録には母・成美(なるみ)さん(57)が毎回付き添う。

 前田さんが寄せられたメッセージを読み、2人が日常生活で困ったことや今挑戦していることなどを話す。番組開始当初は話すのが苦手だった橘薗さんは、今では軽快にやりとりできるように。鶴崎さんも情報発信のため、積極的に人と関わるようになったという。

 目標もできた。橘薗さんは「一人でできることを増やし、身長を生かしたモデルの仕事も増やしたい」。鶴崎さんは「自分でも番組進行できるようになりたい。小中学校でやってきた講演活動をもっと広げたい」

 変わったのは2人だけではない。番組に寄せられるメッセージも最初は遠慮がちだったが、今は率直なものが増えた。「困っていそうな人を見かけても声をかけていいのか迷う」という相談や地域のバリアフリー状況の報告が集まる。

 進行役を務める前田さんは「リスナーも私も『こんなこと聞いていいんだ』と気付き、意識が変わった」と話した。2人も「なんでも聞いて」と声をそろえる。番組は金曜日午前11時半から30分間。