ゴットン、ゴットン…伝統のきねつき 山川漬の仕込みピーク 指宿

 2023/02/08 08:21
山川漬の仕込み作業に追われる漬物工場。きねでついて干し大根に塩をなじませる=7日、指宿市山川福元
山川漬の仕込み作業に追われる漬物工場。きねでついて干し大根に塩をなじませる=7日、指宿市山川福元
 鹿児島県指宿市山川福元で、山川漬の仕込みが追い込みを迎えている。木製のきねつき機を使った昔ながらの製法。発酵の香りが漂う工場にゴットン、ゴットンと軽快な音が響いている。

 コリコリした歯応えが特徴の山川漬は、農家が干し大根を床下のかめつぼに漬け込んで作った伝統の味。内薗賢漬物店は、農家からきねつき機やかめつぼを譲り受け、伝統的な製法を守っている。

 例年12月下旬~2月中旬に60~70トン仕込み、4カ月~1年間漬け込む。今年は新型コロナ禍で土産品などの需要が伸び悩み、40トンの生産にとどめるという。

 内薗祐二社長(47)は「手間のかかる伝統的な山川漬を作る業者はほとんどいなくなった。生産農家のためにも観光需要の回復を願う」と話した。