「オープンデータ」で起こせ新規事業 行政資料 活用のススメ 企業向けネットに順次公開中 鹿児島県
2023/02/13 07:30

鹿児島県が開いた講習会でデータの扱い方を学ぶ参加者=鹿児島市山下町のかごしま県民交流センター
県は2021年2月、インターネット上で公共データの横断的な検索ができるカタログサイト「BODIK(ボディック) ODCS(オーディーシーエス)」に登録した。これまでに運転免許の保有者数や100歳以上の高齢者数など54種類のデータを公開した。サイトにアクセスすれば、誰でも見たり利用したりできる。
県デジタル推進課の木村仁士課長は、オープンデータは企業が新規事業を展開する際の助けになると指摘する。「一見役に立つか分からないデータでも、必要とする人がいるかもしれない。明らかにできるものは公開したい」と話す。
ただ同サイトに登録している県内市町村は22年7月時点で、姶良市や肝付町など12市町にとどまる。県は登録を増やそうと、市町村向けの研修などを通じてオープンデータ化の意義の浸透に努めている。
一方、県はデータを使う側の理解も必要として、今年1月下旬、県民や企業関係者らを対象とした初の講習会を鹿児島市で開いた。約30人が専用アプリを使ってデータを視覚的に分かりやすく見せる手法などを学び、「誰でも簡単にデータを扱える。技術の進歩に驚いた」と好評だった。
県庁内では、同課が旗振り役となり22年7月以降、データを政策立案に役立てるための職員研修も重ねている。参加者は座学と実践的な練習を通じ、データ収集から政策立案までの流れを学んでいる。
全国的にはオープンデータの積極的な利用が進む。三井住友海上火災保険(東京)は21年、警察庁のオープンデータを可視化した交通事故マップをホームページ上に公開。関東地方で発生した交通事故の件数や死者・負傷者数などを確認でき、通学路の見直しや運送ドライバーへの注意喚起に活用できるという。
クラウドサービスを提供する企業「セールスフォース・ジャパン」(東京)の幹部で、データの利活用に詳しい佐藤豊氏は「データを扱える人や企業と、そうでないところで格差がある。地域力の底上げのために、誰もがデータを理解して使えるようになる必要がある」と指摘する。
【オープンデータのカタログサイト】公的機関や民間企業などが公開している二次利用可能な統計データなどを集約している。個別のサイトを探さなくても、データを一覧で見ることができる。サイト内検索を使えば、目当てのデータに素早くたどり着けるメリットもある。「人口・世帯」や「健康・福祉」などカテゴリーを絞って探すこともできる。鹿児島県をはじめ九州の自治体を中心にデータを公開している「BODIK ODCS」は、約230自治体が登録している。
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