不思議、雌しかいないのに…トラフザメ 初の繁殖 幼魚はしま模様、成長するとヒョウ柄に かごしま水族館

 2023/02/08 15:01
新たに展示されたトラフザメの幼魚。トラのようなしま模様が特徴=鹿児島市のかごしま水族館
新たに展示されたトラフザメの幼魚。トラのようなしま模様が特徴=鹿児島市のかごしま水族館
 鹿児島市のかごしま水族館1階わくわく発見広場にトラフザメの幼魚が、お目見えした。館が飼育する親魚から生まれた個体で、体長約30センチ。同館での繁殖は初めて。

 2016年に肝付町内之浦の定置網にかかり、その後、館が飼育していた雌が昨年8月、黒潮大水槽の底に卵を産み付けた。同12月にふ化した。館は、20年以降は雌1個体しか飼育していないため、雌だけで卵を産み繁殖する「単為生殖」によるものとみている。

 トラフザメは体の半分近くを占める長い尾びれが特徴。九州南部の近海で捕獲されるのは珍しいという。幼魚はトラのようなしま模様だが、成長するにつれてヒョウ柄模様に変化していく。館の山田守彦主任(49)は「成長過程や親と子の見た目の違いを楽しんで」と話した。