二つの校歌、校庭に植えた梅の木…その訳は? 3月閉校、田布施小150年の歴史 3年前赴任した先生が調べてみた 鹿児島

 2023/02/13 09:15
田布施小の歴史を紹介する今給黎剛教諭=南さつま市金峰町尾下
田布施小の歴史を紹介する今給黎剛教諭=南さつま市金峰町尾下
 新設の義務教育学校・金峰学園に4月統合される鹿児島県南さつま市の田布施(たぶせ)小学校で、学校の歴史を学ぶ会があった。今給黎剛教諭(60)が講師を務め、住民や保護者ら約40人に「閉校しても誇りある歴史を残そう」と語りかけた。

 今給黎教諭は赴任した3年前、閉校で歴史まで消えるのを心配し、調べたことを「たぶせ小の話」として回覧板で紹介してきた。地域に好評で、「まとめの話をしてほしい」と頼まれた。

 学ぶ会は1月31日夜にあり、「この学校は二つの校歌がある」と同教諭。戦後、文言にGHQのクレームが付き新たな校歌が誕生したが、「校区の美点を歌う校歌を捨てるのはしのびない」と歌い継いだことが推測されると説明した。PTA会費を払えない家庭が多かった時代、校庭に梅の木を植え実の販売収益で賄った苦労話も明かした。

 同校は創立150年。「学校の歴史は地域の熱い思いと共にある。金峰学園でも引き継いで」と結ぶと、共感の拍手に包まれた。保護者の永野香子さん(44)は「校区の誇りが守られて今があるのを実感した。後世へ伝えていきたい」と話した。

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