コロナ下で入学、耐えた3年間 通学で利用した高校卒業生へ「お祝いと感謝込めて」 肥薩おれんじ鉄道、駅や列車内にメッセージ

 2023/02/10 21:40
周辺に三つの高校がある西出水駅に掲げられたお祝いメッセージ=出水市西出水町
周辺に三つの高校がある西出水駅に掲げられたお祝いメッセージ=出水市西出水町
 失敗を恐れず夢に向かって出発進行-。肥薩おれんじ鉄道は、同鉄道で通学した高校3年生の卒業を祝う社員らのメッセージを駅と列車内に掲げている。新型コロナウイルス下で入学し、制約の多かった高校生活の思い出の一つになればと企画した。3月17日まで続ける。

 おれんじ鉄道の乗客は、高校生を中心とした通学利用が約7割を占める。社内各部署に呼びかけ、駅員や運転士、保線担当者らも含めて50人以上から寄せられた。営業部の片岡洸太さんは「お祝いと感謝の気持ちを込めた」と話す。

 中づり広告と同じB3サイズのピンク色の台紙に「ご卒業おめでとうございます」の文字と「明るいみらい行き」の切符がデザインされ、メッセージが書き込まれている。古森美津代社長は「自分の“未来”を作ろう!」とエール。「人生は『各駅停車』 焦らずに行こう」といった鉄道会社らしい言葉を使ったものもある。

 掲示されているのは川内、阿久根、出水など高校生の利用が多い13駅と、おれんじ食堂や一部のラッピング車両を除く14両。うち1両は、中づりや窓上の広告枠すべてをメッセージ30枚で埋め、先頭には「祝! 卒業」と書かれたサインボードも掲げている。

 上川内-野田郷間で利用してきた野田女子高校3年の小園宙(るな)さんは「コロナ下でしたいこともできない3年間だったが、通学でお世話になった鉄道会社の方々のお祝いの言葉はうれしい」と喜んだ。