中小企業支援の新たな拠点 「中小企業会館」鹿児島市に建設へ 敷地は県が無償譲渡、25年4月使用開始目指す 老朽化激しい産業会館は廃止

 2023/02/11 07:30
中小企業会館(仮称)の建設地。中央奥は県立博物館=鹿児島市城山町
中小企業会館(仮称)の建設地。中央奥は県立博物館=鹿児島市城山町
 鹿児島県中小企業団体中央会など鹿児島市名山町の県産業会館に入居する複数の団体が、中小企業支援の新たな拠点となる「中小企業会館」(仮称)を、同市城山町に建設することが10日分かった。産業会館が老朽化しているためで、敷地は県が無償譲渡する方針。2025年4月の使用開始を目指す。

 新会館の建設地は城山町の県環境保健センター跡地で敷地面積は約1500平方メートル。中央会と県商工会連合会が譲渡を受け、ほかの2団体とともに建設する。

 県によると、敷地の評価額は路線価を基にした試算で約3億円。無償譲渡は(1)県が建設、運営してきた産業会館と同様の機能を持つ中小企業支援の拠点であること(2)譲渡先の2団体とも公共性が高く、事業費の大半を県の補助で賄っていること-などを踏まえた。

 中央会によると、新会館は5階建て、総床面積約3300平方メートル。事業費は十数億円になる見通し。今後基本設計に取りかかり、23年度中に現地の埋蔵文化財調査をする。賃貸で入居するかごしま産業支援センターなど計7団体が産業会館から移る見込み。

 1967年に完成した産業会館は老朽化が激しく耐震基準も満たしていない。入居団体から建て替えや耐震改修などの対策を求められていたが方針が決まっていなかった。新会館建設によって、建て替えや改修の必要はなくなり、すべての入居者が退去した後は廃止する。