鹿児島市サッカースタジアム構想 浜町バス車庫を候補地から除外 市「地権者の要請を尊重」

 2023/02/11 15:00
最終報告で示されたドルフィンポート跡地のスタジアムイメージ写真(鹿児島市提供)
最終報告で示されたドルフィンポート跡地のスタジアムイメージ写真(鹿児島市提供)
 鹿児島市は、鹿児島港本港区の3カ所で整備を検討していたサッカー等スタジアムについて、浜町バス車庫を候補地から除外した。残った本港新町のドルフィンポート(DP)跡地、住吉町15番街区の県有地2カ所で検討を続ける。10日の市議会特別委員会で説明した。

 浜町を巡っては、地権者のいわさきコーポレーションが岩崎芳太郎社長名で1月26日、下鶴隆央市長宛てに文書で候補地取り下げを要請した。岩崎社長は鹿児島商工会議所会頭として県が設置した本港区エリアの利活用検討委員会に出席しており、理由を「商議所の意見活動が自社への利益誘導だとする風評がある」としている。

 松山芳英副市長が同30日、岩崎社長と面会し、申し入れ内容を確認した。市観光交流部の奥眞一部長は特別委で「重く受け止め、残念ではあるが、申し入れを尊重して断念することになった」と述べた。

 一方、県の検討委員会は、市が優位とするDP跡でのスタジアム整備に不可欠な隣地の「ウオーターフロントパーク」は保全する方向で議論が進む。市は「(保全は)委員長の所感と受け止めている。総意としての共通認識には至っていない」との見解を明らかにし、引き続き整備に向け理解を求めていく考えを示した。

 市議会特別委ではスタジアム需要予測調査の最終報告も公表した。事業費の試算や経済波及効果など主要項目は中間報告から変更はなく、景観のイメージ写真やアクセス状況、財源(補助金)を追加した。

 市はDP跡、住吉に整備する際の課題について、地権者の理解、港湾関係者との調整、土地利用規制の見直しなどを挙げている。