反対派「紀元節復活は危険、戦前への回帰」 奉祝派「男系の皇位継承へ世論喚起を」 建国記念の日、両派が集会

 2023/02/11 21:27
護憲派フォーラムの集会で講演する佐野通夫・東京純心大学教授=11日、鹿児島市の県労働者福祉会館
護憲派フォーラムの集会で講演する佐野通夫・東京純心大学教授=11日、鹿児島市の県労働者福祉会館
 「建国記念の日」の11日、鹿児島市で反対、奉祝両派の集会があった。反対派は、紀元節復活の危険性に触れ「戦前に回帰してはならない」と強調。奉祝派は、男系による皇位継承の歴史を学び、伝統の維持を訴えた。

 鹿児島県護憲平和フォーラムは「『紀元節』復活に反対し、思想・信教の自由を守る県民集会」を、県労働者福祉会館で開いた。63人が参加した。

 紀元節は神武天皇の即位したとされる日で、戦前は2月11日に祝祭行事が行われた。講演で東京純心大学の佐野通夫教授は「戦前の学校で、日本は特別な神の国と教わった国民は、周囲に敵をつくった。自民党は紀元節の復活を進めている。再び敵をつくり出す危うい状況だ」と警告した。

 日本会議鹿児島と鹿児島県神社庁は「建国記念の日をお祝いする鹿児島県民の集い」をかごしま県民交流センターで開催。140人(主催者発表)が参加した。

 奉祝式典で「皇位が男系子孫で継承されてきた歴史的意義について国民世論の喚起に努める」ことを決議。講演で中間貴志弁護士(鹿児島市)は「西洋とは違い、日本の天皇は神話から連なる祭祀(さいし)を行う立場の継承。男系子孫にしかできない」と説明した。