パッカパッカ…春告げる軽やかステップ 鹿児島神宮初午祭、3年ぶりの通常開催

 2023/02/13 19:10
初午祭で軽やかにステップを踏む鈴かけ馬=12日、霧島市隼人の鹿児島神宮
初午祭で軽やかにステップを踏む鈴かけ馬=12日、霧島市隼人の鹿児島神宮
 霧島市隼人の鹿児島神宮で12日、南九州に春を告げる伝統行事「初午(うま)祭」があった。鈴や花飾りなどをまとった馬16頭と踊り連約1400人が一帯を練り歩いた。3年ぶりに人数制限がない通常開催となり、主催者によると約15万人が来場した。

 近くで馬頭観音をまつる保食(うけもち)神社でおはらいを受けた後、神宮参道を進み、本殿前などで奉納踊りをした。馬は太鼓や三味線の音色に合わせて、小刻みにステップし、時には大きく跳ねて、見物客から歓声が上がった。

 16世紀中ごろに始まり、五穀豊穣(ほうじょう)や畜産奨励などを願う。新型コロナの影響で2年前は1頭、昨年は6頭に制限した。3年ぶりに出場した京セラ鹿児島隼人工場の初午祭保存会(約110人参加)の福留幸治会長(53)は「大いに盛り上がり、社員の結束も強まった」と喜んでいた。

 会場では、1978年に吹上浜で北朝鮮に拉致された市川修一さん=失踪当時(23)=の兄健一さん(77)らによる署名・募金活動もあった。健一さんは「外交を動かすには、国民の強い支持が必要。多くの人の支援を得て勇気づけられた」と話した。