旧陸軍戦闘機「疾風」を重要航空遺産に認定 知覧特攻平和会館で展示中

 2023/02/14 18:30
疾風の重要航空遺産認定記念プレートを掲げる日本航空協会の篠辺修会長(左)と塗木光久館長=14日、南九州市の知覧特攻平和会館
疾風の重要航空遺産認定記念プレートを掲げる日本航空協会の篠辺修会長(左)と塗木光久館長=14日、南九州市の知覧特攻平和会館
 鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館に展示されている旧陸軍四式戦闘機「疾風(はやて)」が財団法人日本航空協会(東京)の重要航空遺産に認定され、14日、同館で認定証贈呈式があった。同協会は歴史的価値の高い航空機や施設などを2007年度から遺産認定しており、今回で11件目。

 協会の篠辺修会長(70)が「当時の日本の航空技術の到達点といえる機体で保存状態も大変良い」と認定理由を説明。塗木弘幸市長に認定証と記念プレートを贈った。塗木市長は「歴史を伝える貴重な実物資料。今後も適切に保存し、公開していく」と述べた。

 疾風は太平洋戦争後期の旧陸軍主力戦闘機で、約3500機が製造された。同館の機体はフィリピンで米軍に接収され、戦後は米国や日本国内の収集家らを経て、1995年に旧知覧町が購入。97年から展示しており、現存する唯一の機体とされる。

 13日まで行われた保存状態調査では、現在もエンジンオイルが正常に流れるなど良好だったという。

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