打ち上げ見たくても宿がない…3度目延期の新型ロケット「H3」、馬毛島基地工事に沸く種子島で観光客はホテル難民に

 2023/02/15 11:00
延泊希望の問い合わせに応じる「ホテルサンダルウッド」の岡田智矢子さん=14日、南種子町中之上
延泊希望の問い合わせに応じる「ホテルサンダルウッド」の岡田智矢子さん=14日、南種子町中之上
 鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで予定する新型基幹ロケット「H3」1号機の打ち上げが17日に再延期され、種子島を訪れた観光客らは14日、延泊やレンタカーの延長手続きに追われた。今回で3度目の延期に「次こそは上がって」と期待を込めた。

 東京から親子で来島した会社員今井智美さん(47)は種子島に向かう船内で延期を知った。船中で慌てて16~18日のホテルを予約。その後レンタカーも確保した。「これ以上は会社を休めない。何としても17日に打ち上げて」と願った。

 島内の宿泊施設は、西之表市馬毛島で進む自衛隊基地工事の関係者などで満室続きの施設が少なくない。南種子町中之上の「ホテルサンダルウッド」には延泊などの問い合わせが相次いだ。オーナーの岡田智矢子さん(55)は「部屋が連日埋まっている状態。申し訳ないがお断りした」。

 北九州市の木邑恭子さん(75)夫婦は15日以降の宿泊先を探したが見つからなかった。同町の娘の家に泊まることになり、「こんなに延期されるとは思わなかった」と話した。