人気ゲーム「マインクラフト」で仮想の古里作ってみたら…児童の創造力で明るい未来に 垂水・新城小ICT教育

 2023/02/15 20:50
「マインクラフト」を活用して未来の地域像を考える児童=垂水市の新城小学校
「マインクラフト」を活用して未来の地域像を考える児童=垂水市の新城小学校
 鹿児島県垂水市の新城小学校が、人気ゲーム「マインクラフト」を授業に活用している。インターネット上の仮想空間「メタバース」でブロックを積み上げて建物や街を作るゲーム。久木田昌之校長は「創造力や課題解決力の向上が期待できる」と話す。

 情報通信技術(ICT)教育の一環で、同ゲームの教育版を使用した。児童は自身のタブレットを使い、教諭が指定したメタバース上で作業する。3、4年生は「30年後の新城のまち」と題し、昨年9月から約5カ月かけて学校周辺の未来の街並みを制作した。

 産業、観光、防災など現実社会さながらのさまざまな要素を考慮した。実際に校舎を測量して縮尺に反映させ、正確さにも気を配った。学校は小中高校を統合して「新城未来学園」と命名。図書館のデジタル化や屋上への植樹などアイデアを詰め込んだ。

 ゲーム内ではプログラミングも学べる。街の防波堤は波の高さに応じて自動的に高さが変わるようにし、担い手の高齢化が進む漁業や農業では、いけすの管理や木の伐採を自動化させた。久木田校長は「地域の課題とICT教育を掛け合わせることで、より能動的な新しい学びが生まれたと思う」と振り返る。

 10日は同校体育館で地域住民や保護者に成果を発表した。4年新保純蓮(すみれ)さんは「みんなで協力して作り上げた過程が楽しかった。人も動物も共生するような未来の古里を意識した」と話した。