〝空白期間〟なく「雇用守れる」 3月で撤退の工場 4月からサンキョーミートが継承 伊佐市と立地協定

 2023/02/16 11:56
立地協定を結んだサンキョーミートの古賀満社長(中央)と伊佐市の橋本欣也市長(左)ら=伊佐市大口庁舎
立地協定を結んだサンキョーミートの古賀満社長(中央)と伊佐市の橋本欣也市長(左)ら=伊佐市大口庁舎
 食肉処理を手がけるサンキョーミート(鹿児島県志布志市)は15日、伊佐市と立地協定を結んだ。3月末で撤退する日本フードパッカー鹿児島(伊佐市、FP鹿児島)の工場を4月から引き継ぎ、「サンキョーミート伊佐ミートプラント」(伊佐MP)を操業する。

 サンキョーミートは伊藤ハム(兵庫)の子会社として1981年設立。工場は志布志市に2カ所、小林市に1カ所あり、4カ所目となる。年間に牛7500頭、豚17万5千頭の処理を目指し、会社全体で扱う頭数は牛が3割、豚が2割増加するという。

 撤退するFP鹿児島と、隣接する日本ピュアフード鹿児島工場に勤務するのは約270人。他県の系列工場に移籍する人や、県内他企業に転職が決まった人もおり、継続して伊佐MPで働くことが決まっているのは現在百数十人という。交渉を続け、200人近い従業員の確保を目指す。

 橋本欣也市長は「撤退後、間を開けずに引き継ぐことは、普通ではあり得ない。雇用と産業を守っていただき、感謝しかない」。古賀満社長は「高速道路へのアクセスも良く、九州北部への供給も強化できる。伊佐、南九州の畜産業発展に寄与できるよう努めたい」と話した。