きっかけは高校時代の痴漢被害…私の落ち度? 違う、そう考える社会がおかしい ジェンダー問題考えよう~25日鹿児島市でイベント

 2023/02/17 19:45
ジェンダー平等を考えるイベントについて話す東莉子さん=14日、鹿児島市名山町
ジェンダー平等を考えるイベントについて話す東莉子さん=14日、鹿児島市名山町
 鹿児島市の東莉子さん(24)は高校時代の性被害がきっかけでジェンダー(社会的性差)を学び始めた。英国の大学院に留学し、日本の男女平等が遅れているのを肌で感じた。鹿児島のジェンダー平等のため、まずはどんな問題があるのか知ってほしい-。そんな思いを込め、25日に鹿児島市で啓発イベントを開く。

 東さんは高校生のころ、帰宅途中に寄った公園で痴漢被害に遭った。周囲に相談すると、知人女性から「そこにいたあなたが悪い」と言われた。その指摘が正しいのか否か。当時は考えがまとまらなかった。

 大学3年のとき、会員制交流サイト(SNS)で「あなたは何も悪くない」と呼びかける投稿を見つけた。性暴力被害を公表し、被害の撲滅を訴える発信。「相談したらいけない」と思い込んでいたことに気付き、ジェンダー関連の情報を調べ始めた。

 学ぶうちに、「女性は清純であるのが良い」という刷り込みによって、自分に落ち度があると思わされ、相談の壁になっていたと感じた。男性優位な社会構造に加え、「男性は性欲があって当たり前」といった無意識の偏見も背景にあると考えるようになった。

 英国のサセックス大学院ではジェンダー学を学んだ。英国は多くの女性が経営者や政治家、大学教授になっており、教授から「日本は性被害の対策が遅れている」とも言われた。

 留学中に、県内女性の大学進学率が全国最下位だったと知った。昨年9月、鹿児島に戻り、ジェンダー平等のために地元で啓発したいと、イベントを企画した。東さんは「ジェンダーを勉強して被害が自分のせいではないと勇気が持てた。高校生や学生に少しでも知ってもらいたい」と話す。

 イベント「#鹿児島と世界のジェンダー問題」は、25日午後2~4時半、同市名山町のマークメイザンである。県内在住の高校生、大学生、大学院生が対象で、定員15人(先着順)。専用フォームhttps://forms.gle/o6rK1mDQfwv6sBMU6から申し込む。無料。