ドローン+在来線・新幹線=新鮮 鹿児島の魚を福岡へ JR九州などが輸送実験

 2023/02/17 12:00
物流専用ドローンに荷物を積み込む関係者=16日、指宿市山川金生町
物流専用ドローンに荷物を積み込む関係者=16日、指宿市山川金生町
 地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を手がけるチェンジ鹿児島(日置市)やJR九州など民間6社は16日、ドローンと列車を使い、指宿市山川の山川港から福岡市の博多駅に特産品を輸送する実証実験を行った。コストの高いドローン輸送と、JR九州の貨客混載と組み合わせることで実現の可能性を探った。

 地域の課題解決を目的とした鹿児島県の補助事業。エアロネクスト(東京)が開発した物流専用ドローンを使い、道の駅「活(い)お海道」から1.2キロ離れたJR山川駅近くの駐車場まで、マダイやアジの切り身の真空パックを輸送した。

 ドローンは5キロの荷物を積んで半径10キロを自由に往来できる。道の駅から山川駅までは数分で到着。陸送したカンパチとともにJR指宿枕崎線に載せ、九州新幹線に積み替えて福岡市内の飲食店に届けた。

 実験に参加したセイノーホールディングス(岐阜県)の河合秀治執行役員は「物流にはこれから多くの課題が出てくる。ドローンを組み合わせた効率的な物の運び方を確認できた」。チェンジ鹿児島の中垣雄社長は「既存の輸送手段と組み合わせ、高単価の物を大消費地に運ぶことによって採算の取れる仕組みを作り、社会実装を進めたい」と話した。

 チェンジ鹿児島などは14日に日置市でも、買い物代行や災害時の緊急物資輸送を想定し、山間部の集落にドローンで日用品などを輸送する実証実験をした。