小6で突然この世を去った次男のように「きらり輝いて」 ソフトボール元指導者の父、少年たちを特別表彰

 2023/02/18 11:00
きらり賞に選ばれた4選手と、吉村平さん(後列中央)、真弓さん(同左)、三男の和(同右)さん=指宿市の開聞総合グラウンド
きらり賞に選ばれた4選手と、吉村平さん(後列中央)、真弓さん(同左)、三男の和(同右)さん=指宿市の開聞総合グラウンド
 鹿児島県指宿市で開かれる少年ソフトボール大会に「きらり賞」という表彰がある。指導者だった同市山川の農業吉村平さん(44)が、4年前に亡くなった次男のようにソフトボールを目いっぱい楽しんでとの願いを込め、元気がよく輝いている選手を見つけて選ぶ。今年は14人に賞状を贈った。

 次男の星(きら)さんは小学6年生だった2019年4月、家族とジョギング中に突然倒れ、この世を去った。長男、三男ともに野球少年だった。3人とも吉村さんが指導するスポーツ少年団でソフトに打ち込んだ。

 誰よりも夢中になってソフトを楽しんだ星さんのような選手を応援しようと、妻真弓さん(43)や主催者と話し合い、翌年2月の大会で賞を設けた。

 吉村さんは小学校の統合に伴いチームを離れたが、2年ぶりに開聞総合グラウンドであった4日の第10回大会に夫婦で顔を出し、全試合を観戦。「星もきっと見に来ているね」と話しながら、大きな声でチームを盛り上げる子やエラーした仲間を励ます子を見つけてチェック。参加した34チームから14人を選んだ。

 賞状を受け取った日置市の妙円寺小学校4年井上奏君は「ファーストの守備を頑張ったけど負けて悔しかった。まさか自分が賞をもらえるとは」とにっこり。

 吉村さんは「選考していると、星に似た子がいて楽しい。プレーはもちろん、チームのために頑張る選手を応援したい」と話した。