運転手が足りない…鹿児島市内の南国交通バス さらに34本減便 4月から平日の5路線、日曜祝日は45本減

 2023/02/18 11:08
南国交通の路線バス
南国交通の路線バス
 鹿児島市交通局は17日、南国交通に移譲したバス10路線について、継続中の減便に加え、4月から平日は5路線の計34本が新たに減便されると明らかにした。運転手不足が慢性的に続き、安全面や法令順守に影響を及ぼしかねない状況のため。一方、2路線4本は増便となる。市議会産業観光企業委員会で報告した。

 南国交通は2022年5月9日から一部路線で減便を続ける。平日の追加減便数の内訳は明和・鴨池港線1、武岡・鴨池港線11、清水・常盤線14、永吉線5、葛山線3。増便は明和・中央駅西口線1、明和線3。

 また土日祝日も新たに増減があり、全体では土曜は計31本、日曜祝日は計45本の運行本数が減る。

 南国交通鹿児島営業所の運転手は21年4月時点で160人いたが、22年11月には140人に減った。充足率は95%から85%に下がった。公休出勤や残業による労務負担が長期間に及び、同社は22年12月5日、市交通局に追加の減便を申し出た。

 市交通局の水之浦達也次長は「自社の都合による減便は誠に遺憾。運行便数の維持を求め、今後も運転手採用に向けた最大限の努力を促していく」と述べた。

 同社は取材に「運転手の採用募集は続けている。補充できれば便を戻していく」と説明した。

 市は20年4月に6路線、21年4月に4路線を南国交通へ移譲した。その際、「(運行経路や便数は)原則3年間維持」とする基本協定を結んでいる。今年4月で6路線は協定期間を過ぎるため、市交通局は事実上、関与できなくなる見通し。