仕事と休暇だけじゃない…長島の「ワーケーション」は絶景まで楽しめる お腹満たすツアーも企画

 2023/02/18 20:50
開放的なワーキングスペースで交流する参加者=長島町鷹巣
開放的なワーキングスペースで交流する参加者=長島町鷹巣
 仕事と休暇を両立させる「ワーケーション」を通して人を呼び込む取り組みが、鹿児島県長島町内で始まった。町は海や島々が一望できるワーキングスペースを整備。第1弾の「柑橘(かんきつ)ソムリエ養成ツアー」には首都圏などから25人が参加し、地元農家らと交流を深めた。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、町は町内外の人がテレワークなどに利用できる施設の開設に着手。ミカン博物館「日本マンダリンセンター」(鷹巣)の一部を改装し、1月末に完成した。

 4、5階にキッチンや個室付きのワーキングスペースなどを設置。長島ならではの景色を楽しめる開放的な窓を備え、旅気分も感じられる空間に仕上げた。

 元町地域おこし協力隊員で「熱意ある地方創生ベンチャー連合」理事の土井隆さん(37)らが2月9~13日、施設を使った初のツアーを実施。半数は首都圏の企業関係者らが占め、出水地区のミカン農家も集まった。

 愛媛県のNPO法人「柑橘ソムリエ愛媛」の二宮新治理事長(42)がミカンの目利きや味の表現などを伝授。遠方の参加者は近くの宿泊施設に泊まり、夜はブリや牛肉などの特産品を味わう懇親会が開かれた。東京の会社員篠原貴政さん(35)は「海と山のコントラストが美しく、学びながら非日常を味わえる」と笑顔を見せた。

 本年度中に企業や親子を対象としたワーケーションも予定。土井さんは「継続的に実施し、長島とのつながりを持つ人を増やしていければ」と話した。