馬毛島東岸の漁、基地工事で4年9カ月すべて不可 地元漁師「大変な痛手…ショック」

 2023/02/19 07:30
種子島漁協の回答について見解を述べる浜田純男さん(左から2人目)ら=18日、西之表市
種子島漁協の回答について見解を述べる浜田純男さん(左から2人目)ら=18日、西之表市
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地工事について、地元種子島漁協の一部組合員は18日、同漁協に出していた質問状に対する回答書を公開した。工事に伴い、島東岸の漁業制限区域は4年9カ月にわたって全ての漁ができず、このうち約100ヘクタールで漁業権が消滅することが分かったと説明した。

 質問状は、馬毛島周辺を主要漁場としている塰泊(あまどまり)、池田両地区の組合員5人が連名で1月末に提出。2月10日付で回答が届いた。

 防衛省が漁業補償として提示する総額22億円の積算根拠については、「国の基準で積算されたとの説明を受けた」と記載。漁業制限区域や漁業権の消滅区域の魚種、水揚げ高も明らかにされなかった。

 提出者の1人、浜田純男さん(67)は「漁師として大変な痛手を負うことが分かりショックだ。(24日に予定される)総会で問題提起したい」と話した。