鹿児島県の新体育館、PFIで整備へ 県事業では初導入 従来より15億円以上割安に

 2023/02/21 08:00
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
 鹿児島県は20日、新総合体育館(スポーツ・コンベンションセンター)の整備に、民間資金活用による社会資本整備(PFI)手法の導入が「最適」とする最終報告を公表した。費用削減効果があることが主な理由。今後は同手法での整備を前提に、計画を進める。県の事業でPFIを導入するのは初めて。

 県は新体育館整備を鹿児島市のドルフィンポート(DP)跡地で計画し、2022年5月からPFIの導入可能性を調査していた。最終報告によると、県が資金を集めて設計や建設、運営を個別に発注する従来手法では246億1215万円かかる。これに対しPFIは230億6693万円で、15億4521万円(6.3%)ほど削減できると結論付けた。

 県スポーツ施設対策室によると、PFI関連経費を計上した23年度当初予算案が県議会を通過すれば導入に着手する。23年度は事業者へ示す要求水準書作成などを開始。24年度に入札・審査を行い、契約は25年3月ごろを見込む。契約時の事業費は、物価や賃金の上昇を踏まえ改めて算出する。

 PFI契約後は設計と建設に計4年程度かかり、その後15年ほど民間事業者が運営を担う。県の意向調査では、10社(うち県内5社)が参加の意思を示しており、別の10社(同1社)が検討中という。

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