諜報、暗殺…裏部隊で活躍の「忍者」は鹿児島にもいた!? 2月22日は「ニンニンニン」の日
2023/02/22 12:15

「忍法の心得もあった」との言い伝えが残る井尻神力坊の墓=南さつま市加世田武田
「忍者といっても、小説やドラマのように黒装束で忍術を使う、という華々しい存在ではない。目立たず、怪しまれないことが重要だった」と解説するのは、東京大学史料編纂所(へんさんじょ)の本郷和人教授。「何年も潜入先で普通に生活し、ある日突然、わが子に正体を明かすなどということもあったかも」と語る。
島津義久の老中、上井覚兼の日記には「山くぐり」「忍衆30人」など忍者を指す記述が登場する。戦国島津に詳しい鹿児島国際大学の三木靖名誉教授は「合戦前に山伏や農民から知らせを受けたという記録があるが、彼らの実態は忍者だったと考えていい」と話す。
三木さんが名前を挙げたのは、戦国時代、島津忠良の家臣だった井尻神力坊(じんりきぼう)。山伏でもあり、忠良の命令を受け、法華経(ほけきょう)を奉納するため全国を行脚しつつ、各地の武将の情報も集めたという。加世田市史には「忍法の心得もあった」と紹介される。
神力坊の子孫は薩摩と肥後の国境、出水郷に置かれ、代々要職を務めた上級武士の伊藤家につながる。三木さんは「諜報や武術といった特殊な能力を持っており、重要地点を任されたのだろう」と推察する。
志學館大学の原口泉教授は、島津義弘の家臣で関ケ原の戦いにも従軍した押川強兵衛に着目。「その動きはまさに忍者」。偵察に出かけた際に川底を泳いで渡り、馬上の敵を引き落として首を取ったり、島津義久の重臣を暗殺したりした記録が残るという。
原口さんは「島津家にとって、少ない犠牲で戦果を上げるために諜報、暗殺といった忍者を使う戦術は当たり前の手段だった。歴史の表舞台には出てこないが、重要な役割を果たした」と力を込めた。
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