鹿児島県阿久根市の鶴翔高校食品技術科３年半崎皓也さんが、全国高校生パンコンテストで優秀賞を獲得した。受賞作は、地元産のブルーベリーとイチゴのミックスジャムを練り込んだパン。新型コロナウイルス禍を共に過ごした同級生と販売会も開き、「卒業前に最高の思い出を刻めた」と喜んだ。

　コンテストは１月下旬に静岡県伊豆の国市で開かれ、鶴翔高として初めて参加した。全国３０校から３３１点の応募があり、２６人が書類審査を通過した。

　実技審査に臨んだ半崎さんは同科で開発したジャムを使った「ベリーグッドパン」４０個を１人で焼き上げた。生地を練る工程から作業し、爽やかな甘さが感じられる食感に仕上げた。

　プレゼンテーションでは「ジャムを一緒に製造した友達や先生の思いも込められている」と訴え、審査員は「シンプルで味もしっかりしている」と評価。優秀賞の４人に選ばれた。

　本番までの約１カ月間、放課後や週末に練習し、同級生や教員も試食で感想を伝えるなど応援。２月２２日の販売会では在校生ら約５０人が列を作り、次々にパンを買い求めた。

　半崎さんら３年生は入学時に新型コロナが拡大し、校外活動などが制限され続けた学年。「我慢が多い３年間だった分、最後に友達の協力を受けて作品を仕上げたり、販売できたりしてうれしかった」と話した。