小宝島と宝島の急患、県をまたいで沖縄へ搬送 鹿屋分遣隊廃止で鹿児島市から変更

 2023/02/28 14:10
海上自衛隊鹿屋航空基地に配備されていた救難ヘリコプターUH60J=2022年3月、鹿屋市の同基地
海上自衛隊鹿屋航空基地に配備されていた救難ヘリコプターUH60J=2022年3月、鹿屋市の同基地
 悪天候や夜間の離島の急患搬送を巡り、鹿児島県は27日の県議会本会議で、これまで鹿児島市に運んでいた十島村の小宝島と宝島について、沖縄県への搬送手段を確保したと明らかにした。

 県内離島のヘリコプターによる急患搬送を担当していた海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)の分遣隊は1月末で廃止された。これに伴い県は同基地第1航空群と災害派遣(急患輸送)実施協定を結び、現在は宮崎県の空自新田原基地と熊本県の陸自高遊原分屯地の部隊が搬送を担う。

 県消防保安課によると、小宝島と宝島は九州本土から出動して鹿児島市に搬送する場合、途中で給油が必要になり、所要時間がこれまでより長くなる可能性があった。このため、基本的に無給油で、県本土より早く運べる沖縄への搬送に変更した。

 同村悪石島以北の急患は鹿児島市、奄美大島や与論島などからは沖縄に搬送する体制は変わらない。同課によると、協定締結後、今月27日までに十島村や屋久島など6件の搬送があった。