H2Aロケット46号機打ち上げ遅れ 原因の鹿児島県警ヘリ、機長が警戒区域拡大を「失念」し誤侵入

 2023/02/28 21:47
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
 鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで1月26日、H2Aロケット46号機の打ち上げが、県警ヘリコプターの警戒区域誤進入で約1分遅れた問題で、県警は2月28日、「機長が警戒区域が拡大されるのを失念していたことが原因」と明らかにした。

 同日の定例会見で、上村国彦警備部長は「機長は事前に情報を確認していたが、警戒警備にあたる中で失念した。同様の事案が起きないよう隊員への指導を徹底する」と話した。

 警備課によると、県警ヘリは国の情報収集衛星を載せたロケットの打ち上げで射場周辺上空を警戒していた。発射10分前に射場東側上空の警戒区域が拡大されるのを失念、同区域内を約5分間飛行した。

 宇宙航空研究開発機構によると、安全確認のため打ち上げは約1分遅れた。

 県警ヘリは当初、誤進入の認識がなかった。その後の飛行経路確認で誤進入が判明。隊員への聞き取り調査などで原因を調べていた。警備課は「機長をはじめ、整備士や本部警備課員を含めた情報共有を徹底し、再発防止に努める」としている。