馬毛島基地工事で「住民生活に影響」 工事関係者増…宿不足、ごみ処理、救急体制に課題 種子島3市町と県が防衛相に要望

 2023/03/01 09:05
要請文を提出する西之表市の八板俊輔市長(左)=同市の種子島合同庁舎
要請文を提出する西之表市の八板俊輔市長(左)=同市の種子島合同庁舎
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地工事で住民生活への影響が出ているとして、種子島1市2町と鹿児島県は2月28日、防衛省に早急な対策を求める浜田靖一防衛相宛ての文書を提出した。いずれも工事関係者の増加による宿泊施設不足やごみ処理、馬毛島での救急・防災体制の構築を課題に挙げた。

 西之表市は最多6分野14項目を要請した。14日開いた市内各業界との意見交換会で寄せられた、既存産業から工事関係への人材流出懸念、居住自治会との関係構築の必要性といった声を取りまとめた。

 同市の九州防衛局種子島連絡所を訪れた八板俊輔市長は「ある程度想像していたが、実際に起きている。一日も早く対応しなければならない」と述べた。関兼文所長は「市や県と役割分担も含め、緊密に連携したい」と話した。

 中種子、南種子両町も同連絡所に5項目の文書を提出。工事関係者の法令順守、交通安全の徹底のほか、今後の宿舎整備計画や従事者数の情報提供を求めた。

 県の要請書も3市町の意見にならう内容。各自治体が個別に要請したことに、塩田康一知事は「できればまとまって対応したい」とし、3市町を交えた協議会などを設置する考えを改めて示した。塩田知事は基地整備計画を容認した昨年11月、設置方針を打ち出した。実現できていない理由を「八板市長が『賛否はともかく』とする中、(賛意を示す)2町が参加は難しいとしている」と説明した。