桜島が見えなくなる? 鹿児島本港区のスタジアム構想、心配する声に市は「展望デッキで眺望確保する」

 2023/03/01 12:10
スタジアム候補地のドルフィンポート跡地(中央)と住吉町15番街区(上側)=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
スタジアム候補地のドルフィンポート跡地(中央)と住吉町15番街区(上側)=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島市の下鶴隆央市長は28日、鹿児島港本港区の2カ所で検討する多機能複合化スタジアムについて、桜島の眺望への影響を懸念する声を踏まえ、展望デッキの整備で新たな眺望を確保する考えを明らかにした。建物の形状やデザインも桜島や鹿児島湾と調和するよう配慮する。市議会代表質問に対する答弁。

 市がスタジアムを本港区に整備することについて、昨年11~12月に実施した意見募集では「桜島がしっかり見える配置の方が鹿児島らしい」という要望や、「景観の素晴らしい場所に建てる意味が分からない」などと本港区への整備に否定的な声があった。下鶴市長は「現状の景観に対する一つの考えと受け止め、検討課題と考えている」との認識を示した。

 また新年度設置するスタジアムの協議会を巡り、市はドルフィンポート(DP)跡地と住吉町15番街区の2候補地を所有する県にはオブザーバー参加を要請すると明らかにした。

 スポーツ課によると、協議会は15人程度を予定。学識経験者や経済団体のほか、若者らが入る見通し。県をオブザーバーにした理由について、市は「県・市連絡会で意見交換し、下鶴市長と塩田康一知事が定期的に会って話をしているため」と説明。協議会では必要に応じて県側に発言する機会を設けるとしている。

 候補地の一つだった浜町バス車庫が土地所有者の意向で除外を余儀なくされ、DP跡、住吉ともハードルが高いため、県農業試験場跡地(西谷山2丁目)やふれあいスポーツランド(中山町)に整備する可能性を問う質問もあった。しかし市は本港区で検討を続ける考えをあらためて示した。

 この日は公明、社民立憲、市民連合が代表質問した。