ドルフィンポート跡地でスタジアム整備「厳しい」…でも検討は継続 鹿児島市長が言及

 2023/03/01 20:55
多機能複合型スタジアム候補地のドルフィンポート跡地とウオーターフロントパーク=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
多機能複合型スタジアム候補地のドルフィンポート跡地とウオーターフロントパーク=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島市の下鶴隆央市長は1日、鹿児島港本港区の県有地2カ所で検討する多機能複合型スタジアムについて、経済波及効果などを基に優位とするドルフィンポート(DP)跡地一帯への整備は厳しいとの現状認識を初めて示した。県側がスタジアム整備に不可欠な隣地のウオーターフロントパークを保全する方向で議論しているため。ただ「スタジアム整備の方針を見直すことは考えていない」とも述べ、検討は継続する考え。市議会の自民代表質問への答弁。

 DP跡地にスタジアムを整備する場合、県の新総合体育館計画の大幅な見直しが必要な上、同パークの大半を活用する必要がある。しかし県の本港区エリア利活用検討委員会は1月の会合で、同パークを保全する方向で意見集約し、今後はこの方針に沿って議論が進むとみられる。

 下鶴市長は、これらの動向に触れ「DP跡地などでの一体的な整備は厳しい状況」と言及した。

 もう一つの候補地である住吉町15番街区は鹿児島商工会議所が1月、スタジアムには触れずに、多くの集客が見込める国内外の会議や展示会など「MICE(マイス)」施設の整備を提言している。

 県有地2カ所へのスタジアム整備はハードルが高くなっているが、下鶴市長は街づくりの核となるスタジアムはにぎわい創出や経済活性化の起爆剤になるとして、「本港区エリアでの整備に向けて検討を進めていく」と述べた。