ドルフィンポート跡地でスタジアム整備、知事も「厳しい」 候補地取り下げは求めず

 2023/03/02 21:00
多機能複合型スタジアム候補地のドルフィンポート跡地とウオーターフロントパーク=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
多機能複合型スタジアム候補地のドルフィンポート跡地とウオーターフロントパーク=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県の塩田康一知事は2日の県議会一般質問で、鹿児島市が多機能複合型スタジアム構想を検討する鹿児島港本港区の県有地2カ所のうち、ドルフィンポート(DP)跡地での整備は「厳しい状況にある」と初めて述べた。住吉町15番街区には「多くの課題がある」との認識を示した。

 下鶴隆央市長も1日の市議会で「DP跡地などでの一体的な整備は厳しい状況」と言及。県・市のトップがともにDP跡地での市構想実現に厳しい見方を示したことで、スタジアム整備を巡る今後の議論の行方に影響が出る可能性がある。

 DP跡地でのスタジアム構想を巡っては、県の本港区利活用検討委員会で同エリアのグランドデザインとの整合性やウオーターフロントパーク保全などの観点から、否定的な意見が出ている。住吉町15番街区には鹿児島商工会議所が1月、スタジアムには触れず、会議場や観光施設の整備を提言した。塩田知事の発言はこうした状況を踏まえた評価とみられる。

 ただ、議会後の報道陣の取材に対し、塩田知事は「検討委で結論が出ているわけではない。市に(候補地の)取り下げを求めることも考えていない」とも述べた。