鹿児島県内の中小企業4万9915社、5割で後継者不在 「廃業すれば雇用・技術失われる」 県、第三者承継後押し

 2023/03/03 15:37
 鹿児島県は2日、県内中小企業の事業承継について、「後継者を確保できていない県内企業は約5割」と説明し、「第三者承継の後押しが極めて重要」との考えを示した。県議会一般質問での答弁。

 民間の調査機関によると、2022年の県内中小企業の後継者不在率は46.4%(全国平均57.2%)。県は20年の不在率51.3%を上回らない目標を掲げている。答弁した平林孝之商工労働水産部長は「廃業すれば雇用や技術などが失われ、地域経済への影響が危惧される」と述べた。

 県は事業承継の重要性を伝えようと22年3月、事業者向けに親族・従業員への承継などを説明するハンドブック3000部を作成し、県内の36機関などで相談者に配布。本年度内に第三者承継の手法の一つ、企業の合併・買収(M&A)編も発行する。

 また、国の事業で21年度に鹿児島商工会議所内に設けた「事業承継・引継ぎ支援センター」について、本年度は統括責任者を置くなど体制を強化した。

 県内の中小企業は16年現在、4万9915社ある。