母国・トルコが大地震で被災 鹿児島で日本語学ぶ男性「関心持って、応援して」

 2023/03/03 12:45
トルコを立つ前に母からプレゼントされたルームシューズを手にするアダルさん=いちき串木野市の神村学園専修学校
トルコを立つ前に母からプレゼントされたルームシューズを手にするアダルさん=いちき串木野市の神村学園専修学校
 トルコ南部のガジアンテプ県で2月6日に発生した巨大地震から3週間以上過ぎた。昨年4月からいちき串木野市の神村学園専修学校日本語学科で学ぶ、カバック・メフメット・アダルさん(20)は、震源地の西に位置する地中海沿岸部の同国メルシン出身。母国の震災に心を痛め、「トルコに関心を持ち、応援してほしい」と呼びかける。

 アダルさんはメルシンにある2階建ての一軒家で両親と中学生の弟と暮らしていた。テレビでアニメを見て日本に興味を持ち、高校卒業後、新型コロナ禍で1年間の待機を経て、昨年3月下旬に来日した。

 地震が起きた6日の午前、アダルさんはいちき串木野市内のホテルで企業説明会に参加していた。昼に帰宅し、弟から「兄さん、地震があった。母さんに電話してあげて」とメールが届き、事態を知った。

 実家は少し揺れたが、幸い全員無事で家屋の被害もなかった。しかし、トルコ南東部のディヤルバクル県に住む親戚の家は倒壊した。家族も次に地震が起きた場合に備え、食料や水、ライトなどを入れたかばんを準備したという。

 トルコではその後も大きな余震が続き、家族への心配は絶えない。特に2年前の交通事故で首を痛めて通院中の母が気がかりだ。しかし、航空券は片道20万円と高額。アルバイトで生活費を捻出するアダルさんには厳しいという。「わがままなのは分かっているが、何らかの支援があれば」という願いは切実だ。

 トルコでは日本のアニメや歴史、車などが人気で、親日家が多いという。日本国内の義援金を募る動きに感謝し、「応援の気持ちだけでも十分なので、地震にくじけず頑張っている人がいることを忘れないでほしい」と願う。