全長260メートル…強襲揚陸艦「アメリカ」は海に浮かぶ「要塞」だった 甲板にはF35B、オスプレイずらり

 2023/03/04 11:31
戦闘機が発着できる強襲揚陸艦アメリカの甲板。奥にF35Bも見える=3日、徳之島沖
戦闘機が発着できる強襲揚陸艦アメリカの甲板。奥にF35Bも見える=3日、徳之島沖
 米海軍は3日、日米合同の離島奪還訓練で鹿児島県の徳之島沖に展開している強襲揚陸艦「アメリカ」を報道陣に公開した。空母のように戦闘機を発着させ、敵の陸上部隊を強襲させる艦船。洋上に浮かぶ全長約260メートルの要塞(ようさい)だ。中国に近い鹿児島の海で大国がにらみあう緊迫が伝わった。

 伊仙町のグラウンドから米輸送ヘリコプターで約30分。西方約100キロ沖合に灰色の巨体が姿を見せた。垂直着陸ができる最新鋭ステルス戦闘機F35Bや輸送機オスプレイが、甲板にずらりと並ぶ。

 中央の艦橋は管制塔のような見た目だが、レーダー類が常に回転し、複数の砲台とともに警戒感を際立たせる。

 搭載できるのは航空機約20機、部隊2000人以上。2019年に佐世保基地(長崎県)に配備され、岩国(山口県)や沖縄の海兵隊員らが乗り込んでいる。

 甲板から長い坂を下り、格納庫にも案内された。F35B2機とヘリ1機が納まり、機材などが積まれた「整備工場」のようなスペースが広がる。担当者は「F35Bは素晴らしい戦闘機だ。特殊な機体のためメンテナンスが重要で、ここで多くのことができる」と説明した。

 F35Bも搭乗する際は、所定の離着陸訓練が必要という。同型機の訓練場所は、整備工事が進む西之表市馬毛島の自衛隊基地でも確保する。鹿児島が安保大転換の「現場」になっていると実感した。