新型ロケット「H3」 6日に再打ち上げへ トラブルの原因判明、対策にめど JAXA

 2023/03/04 09:00
補助の固体ロケットブースターが着火せず、打ち上がらなかったH3ロケット1号機=2月17日、南種子町の種子島宇宙センター
補助の固体ロケットブースターが着火せず、打ち上がらなかったH3ロケット1号機=2月17日、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日、2月17日の発射直前に打ち上げを中止した新型基幹ロケット「H3」1号機を、3月6日午前10時37〜44分に南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。中止理由とした電源系統異常の原因が判明し、対策のめどがたった。予備期間は10日まで。

 JAXAによると、2月17日の打ち上げでは、機体と地上設備をつなぐ通信・電源の各回線を発射直前に一斉遮断する際、想定を超える電気のノイズが発生。その影響で機体1段目の制御コントローラー内で誤作動が起きて電源スイッチがオフになり、機体異常として自動停止した。

 対策としてプログラムを変更。各回線を段階的に遮断することでノイズを抑えられたという。5日夕の機体移動後、最終確認する。

 岡田匡史プロジェクトマネジャーは会見で「原因の見極めに時間はかかったが、期間内に何とか間に合った。最後までやれることをやりたい」と話した。

 H3は現在運用中のH2Aロケットの後継機で、使い捨て型の液体燃料ロケット。1号機は地球観測衛星「だいち3号」を搭載。2月の打ち上げが決まった後も、飛行計画更新システムの不具合などで延期が相次いだ。

 南種子町は6日のH3ロケット1号機打ち上げで、町管理の長谷公園、宇宙ケ丘公園、前之峯陸上競技場の3カ所を見学場として開放する。発射場に最も近い恵美之江展望公園は混雑が予想されるため、入場者を事前抽選しており、当日は受け付けない。