うちの課長の仕事ぶりは…部下が上司を評価 鹿児島県が新年度から新制度を試行

 2023/03/04 11:47
 鹿児島県は3日、部下が課長級以上の管理職を評価して結果を本人に還元する新たな評価制度の概要を明らかにした。上司に限定しない多面的な評価が可能となる「360度評価」と呼ばれる手法で、2023年度に試行する。業務効率化や働き方改革の推進など管理職の監督能力の自発的改善を狙う。県議会一般質問での答弁。

 人事課によると、試行は4~9月を評価期間とし、10月に無記名のアンケート方式で集計。終わり次第、管理職に結果を知らせる。試行後にはアンケートを取り、改善点を検討した上で継続の可否を判断する。

 同制度は法的に定められていない。そのため山本周総務部長は答弁で、「これまでの人事評価制度とは別に運用する。評価結果を給与や任用の決定には用いない」と述べた。

 県庁の若手職員9人による働き方改革推進チームが塩田康一知事に22年3月、同趣旨の制度創設を求める提案書を提出したのが試行のきっかけ。本年度に庁内に設置したワーキンググループで方向性を整理した。

 3日は一般質問に先立ち、22年度一般会計補正予算案(3億6000万円追加、総額9593億4091万円)を上程した。