篤姫ゆかりの砂浜で朝練したりデートをしたり…「指宿商高生なら分かる」青春の地は観光にもおすすめ

 2023/03/05 15:05
砂浜でくつろぐ指宿商業高校の生徒ら=指宿市岩本
砂浜でくつろぐ指宿商業高校の生徒ら=指宿市岩本
 鹿児島県内の多くの高校で2月末から3月初めにかけ卒業式が行われた。この3年間は新型コロナウイルスの影響で、3年生をはじめ生徒らは行事の中止や縮小を余儀なくされた。ただそんな状況でも、友達同士や部活の仲間と楽しい時間を過ごした場所がある。校内や通学に使う駅、飲食店など、南薩エリアの「○○高生なら分かる思い出の場所」を紹介する。

 指宿市岩本の指宿商業高校の生徒たちが憩いの場にしているのは、学校の裏手に広がる篤姫ゆかりの今和泉海岸だ。2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」放映に合わせて砂浜が再生され、観光スポットとして整備された。篤姫幼少期の銅像「於一(おかつ)像」が見守る海岸で、指商の生徒たちは青春の日々を過ごしている。

 「おーい、こっちで写真撮ろう」。卒業を前日に控えた2月27日、篤姫像の周りに3年1組の生徒が集まった。担任の里村大志教諭(44)は毎春、銅像に生徒を集めてクラス写真を撮影する。この日は卒業記念に教え子たちと笑顔でピースサイン。普段は海に入らないよう厳しく指導しているが、この日ばかりは波打ち際で水のかけ合いが始まり、キャッキャとはしゃぐ生徒たちの声が響いた。

 部活動の練習で朝も放課後も砂浜を走り、お昼には友達と弁当を食べた。部活動が休みの日は、仲の良い友達で連れだったり、男女が談笑したりする憩いの場になった。帰り道は海岸沿いの道を通ってJR今和泉駅へ向かった。

 3年の黒岩加純さんと山下津紅裕(つぐみ)さんは「いつもこの道を通って帰り、夏は駅前の小野商店でアイスを買って電車を待った。砂浜で応援団の練習もしたなあ」と振り返り、「カップルが多くて来にくいころもあったよね」とうなずき合っていた。